日曜経済講座

日本はコロナ恐慌を避けられるか 消費税増税の失策を正せ 編集委員・田村秀男

 中国発の新型コロナウイルス禍で懸念されるのはデフレ恐慌である。消費の萎縮のために物価が下がり続け、雇用が失われる悪循環だ。1930年代の大恐慌がそうだった。財政・金融の両面で大掛かりな拡大策に転じたのは、その再来を防ぐためだが、わが国は大丈夫か。米国と比較しながら考えてみた。

 米国を引き合いに出したのは、ほかでもない。コロナ・パンデミック(世界的大流行)の前から、実は米国が日本以上に持続的なデフレ圧力にさらされていたからである。

 デフレを判断する目安となる代表的な指標は消費者物価指数(CPI)だが、CPI構成品目のうち天候に左右される食料品と、中東情勢に翻弄されるエネルギーを除く「コアコアCPI」が重視される。モノやサービスの価格は需要と供給という純経済要因で決まると考えると合理的なインフレ指標だ。

 グラフはこうして算出した日米のインフレ率と賃金上昇率について、2008年9月の未曽有の金融危機と呼ばれたリーマン・ショック後の推移を追っている。驚くべきことに、13年以来、米国のデフレの度合いが日本よりも深い。日本のほうはアベノミクスが12年12月に打ち出されて以来、デフレ圧力はかなり和らいだように見える。

 しかし、それはデフレをあくまでもコアコア物価のみでみた場合に限る。私たちの暮らす経済(実体経済)は賃金収入があってこそ成り立つ。生活が貧しくなるかどうかは、食料、エネルギーも含めた全般的な物価の下落よりも賃金が下がったり、物価上昇に賃上げが追いつかなかったりする「賃金デフレ」が起きているかにかかっている。

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