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コロナ禍に乗じてオーストラリアへ干渉強める中国

2019年5月、北京のスーパーに並ぶオーストラリアなどからの冷凍牛肉。中国は今年5月、豪州からの食肉の輸入を一部停止した
2019年5月、北京のスーパーに並ぶオーストラリアなどからの冷凍牛肉。中国は今年5月、豪州からの食肉の輸入を一部停止した

 オーストラリアが、最大の貿易相手国である中国からの圧力に苦慮している。豪州政府は、新型コロナウイルスの発生源や感染拡大をめぐり独立調査の必要性を主張。これに中国が反発し、豪州とのモノやヒトの動きに制限をかけ、豪州に「人種差別」のレッテルも貼り非難を強めている。中国への経済依存を強めてきた豪州に、コロナ禍を逆手にとった中国による経済外交戦術という“ブーメラン”が襲いかかっている。

 中国政府は9日、豪州でコロナの流行を背景に中国人への差別や暴行が相次いでいるとして、豪州への留学を慎重に判断するよう、国民に警戒を呼び掛けた。5日には、観光旅行に行かないよう注意も喚起した。

 確かに豪州国内では2月ごろから、感染への懸念とともにアジア系に対する差別問題が顕在化した。だが、懸念が和らいだ5月以降は沈静化している。オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は、中国政府の主張に「根拠がない」と反論。豪州は「多文化主義」に最も成功した社会だと訴えた。

 両国の関係が悪化したきっかけは、4月に豪州のモリソン首相がコロナに関する独立調査を求めたことだ。中国は5月、豪州からの食肉の輸入を一部停止し、同国産の大麦にも高額関税をかけるなど「報復」とも思われる措置を次々と取った。

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