日曜経済講座

動き出すスーパーシティ、利用者目線で構想深めよ 大阪経済部長・内田博文

改正国家戦略特別区域法(スーパーシティ法)が賛成多数で可決・成立した参院本会議=5月27日午後、国会(春名中撮影)
改正国家戦略特別区域法(スーパーシティ法)が賛成多数で可決・成立した参院本会議=5月27日午後、国会(春名中撮影)

 最新の人工知能(AI)やビッグデータなど先端技術の粋を集めた未来都市「スーパーシティ」の実現に向けた改正国家戦略特区法が、本格的に動き始めた。2025年大阪・関西万博を控え、「ポスト万博の成長基盤に」と期待を寄せる大阪府市も、特区指定へ名乗りを上げる構えだ。

 カメラやセンサーを組み込んだ「スマートミラー」を通じ、AIが自動で検温などにより体調をチェック。異常があれば遠隔診療の手続きやドローンでの薬の配送を行う-。7月2、3日に開かれたオンラインイベント「スーパーシティ/スマートシティOSAKA2020」で講演した大阪商工会議所理事の槇山愛湖産業部長は、医療・健康分野で大阪が目指すべき未来都市をこう紹介した。

 大阪府市は政府のアイデア公募に、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた2期地区」と大阪万博の会場となる人工島「夢洲地区」をスーパーシティの候補地として提案した。既存の市街地と異なり、今後、開発が進むエリアだけに関係者の同意も得やすく、万博後の街づくりを視野に「思い切った取り組みが可能」だからだ。

 産業界もスーパーシティの実現に前向きだ。大商は関心を持つ企業や団体を集め、セミナーやワークショップなどで健康・医療分野におけるプロジェクト創出を図る活動を7月から実施。また大阪万博会場での実装に向け、実際の都市とリンクしたデジタル都市を構築する実証試験ラボの設置も計画している。冒頭のイベントには5千人超が参加した。主催したJTBコミュニケーションデザインは「スーパーシティ構想が大阪を軸に動くという期待の表れだ」と指摘する。