田村秀男の経済正解

高騰する香港株 習政権の錬金術

 トランプ米大統領は「香港自治法」を成立させ、対中金融制裁を発動できるようにした。香港は紙切れの人民元を米ドルに変換する「錬金術」センターである。米中は一挙に通貨戦争に突入するのか。

                   

 香港自治法は、習近平政権が施行を強行した「香港国家安全維持法(国安法)」が香港の人々の自由と権利を奪うものとみなす。国安法を振りかざして香港を抑圧する中国共産党幹部や組織に対し、資産凍結やビザ(査証)発給停止などの制裁を科すばかりでなく、金融機関に対しては米金融機関とのドル取引を禁じるとしている。

 中国の共産党政権は建国当時、英領香港を奪還せずに「長期打算、充分利用」(長い目で考え、利用し尽くす)することにした。1997年7月の「香港回収」後もその路線は変えなかった。

 基軸通貨米ドルは世界のあらゆる資源、資産、食料など値のつくものは何でも存分に買える。そして国際金融センター香港では、米ドルと連動する香港ドルを介して、人民元と米ドルを自由に交換できる。中国人民銀行は流入する米ドルを原則としてすべて買い上げ、ドル準備の増量に応じて人民元を増発して金融を拡大し、経済の高度成長を実現した。

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