景気崩落 消費税10%から1年・下

恨み節、最悪だった増税時期

 大阪市の繁華街・ミナミ中心部にある戎橋筋(えびすばしすじ)商店街振興組合。菊地正吾理事長は令和元年10月の消費税増税を苦い思いで振り返る。

 「景気が悪いのに実施された結果、商店街の店舗の多くは値上げができず、“企業努力”として増税分を負担せざるを得なかった」

 苦しい状況に耐える中で年明けからは新型コロナウイルスが流行し、頼みの綱の訪日客需要も喪失した。

 商店街の人通りは現在、前年比で3~4割程度だ。8月にはミナミの一部がコロナの再拡大で営業時間の短縮や休業要請の対象地域となったことで、客足の回復は遅れている。まさに弱り目にたたり目の状況だ。