日曜経済講座

中国依存に潜む危うさ 輸出好調の近畿圏経済 大阪経済部長 藤原章裕

 新型コロナウイルス禍の中、近畿圏の輸出が他の地域よりも好調に推移している。全国的に低迷していた自動車の輸出がほとんどなく、中国の景気回復に伴って近畿圏の強みである対中国輸出が好調なためだ。だが、米中貿易摩擦の影響が深刻化する中、「近畿圏の優位」は一時的との見方は根強い。実際、インバウンド(訪日外国人客)に支えられてきた個人消費は他地域よりも落ち込んでいる。中国に依存した近畿圏の産業構造には危うさも潜む。

 大阪税関が10月19日に発表した9月分の近畿圏貿易概況(速報)によると、輸出額は前年同月比5・7%減の1兆3348億円と7カ月連続の減少だ。ただ、下げ幅は緊急事態宣言中の5月の17・0%をピークに縮小してきた。9月は、特に銅など非鉄金属の輸出が55・9%増の407億円と月別の過去最高を更新した。中でも中国向けは約2・8倍に膨らんだ。大阪税関の担当者は「中国などアジアの経済回復を背景に、自動車や半導体の部品に使われる銅の需要が伸びた」と分析する。