田村秀男の経済正解

超円高のマグマが膨らんでいる

 米国では、大統領選一般投票を踏まえた選挙人による投票で民主党のバイデン前副大統領が勝利し、来年1月20日の「バイデン政権」発足が確実になった。菅義偉(すが・よしひで)首相は早期訪米によるバイデン氏との会談に前のめりだ。最大の懸案は当然、対中国など安全保障だが、経済からも目が離せない。金融市場では日米それぞれの要因が相まって超円高を引き起こしかねないマグマが膨らみつつあるからだ。

 マグマとは、日米の実質金利差を指す。実質金利は名目金利からインフレ率を差し引いて算出する。金(きん)の裏付けのない現代のおカネの値打ちはその通貨建ての市場金利と、その通貨でいかほど購買できるかを示すインフレ率に左右される。実質金利が高い通貨が選好され、低い通貨は売られることになる。

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 グラフは、米国の実質金利から日本の実質金利を引いた日米実質金利差と、円の対ドル相場、全通貨に対するドルの加重平均相場の推移である。実質金利は、日米の10年もの国債の利回りからそれぞれの消費者物価上昇率を差し引いて算出した(日本は日銀が消費税増税に伴う消費者物価値上がり分を調整した数値)。