令和3年の日本経済はV字回復へ コロナ禍反転、チャンスの年

 新型コロナウイルスの感染拡大で低迷を余儀なくされた日本経済。だが令和3年は一転、「失われた1年」を挽回するチャンスがめじろ押しだ。ワクチン普及で国民不安が緩和され、東京五輪・パラリンピックが成功すれば景況感は大幅に改善。デジタル化による効率化に加え世界をリードする脱炭素技術が軌道に乗ればV字回復も視野に入る。ただ、新型コロナの変異種などリスク要因もくすぶっており底力も試される。(佐久間修志、蕎麦谷里志)

 (1)ワクチン普及

 昨年の景気後退は、新型コロナの感染拡大と深い相関がある。負の連鎖を断つと目されるのが新型コロナ向けワクチンだ。米ゴールドマン・サックス(GS)は今年の世界経済成長率は前年比6・0%増とV字回復を予想、日本も3・3%の成長率を見込む。各国の経済対策が所得を押し上げる試算だが、その前提にあるのがワクチンの普及だ。