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LNG輸入量首位を中国に明け渡す日本 エネ安保の懸念材料に

液化天然ガスを運搬するタンカー。中国で需要が急増している(ロイター)
液化天然ガスを運搬するタンカー。中国で需要が急増している(ロイター)

 今年1月の電力不足で露呈した液化天然ガス(LNG)不足には、環境対策でLNG調達を急増させている中国が大きく影響している。資源小国の日本は、島国でパイプラインのガス輸送に頼れない。LNGは昭和44年の初輸入以来、石油ショックや原発事故に見舞われてきた日本のエネルギー供給を支えてきた。そして日本は、世界のLNG市場で最大の輸入国という存在感を不動にした。だが今冬、計画的にLNGを先回りして押さえた中国に市場競争で敗れた。電力自由化のゆがみが日本のエネルギー安全保障を脅かしている。

 「電気代がお得になるチャンスです」といった広告を見かけるようになって久しい。電力卸市場から安価に電気を調達する「新電力」は、強まる家計の節約マインドを追い風に急成長してきた。地域独占を享受してきた大手電力会社の改革へ、新規参入者による競争原理を業界に持ち込もうとした政府のエネルギー政策のたまものだ。

 だが、厳冬に見舞われた今冬は、国内火力発電所向けのLNGが逼迫(ひっぱく)した。単発取引のスポット市場から価格の高いLNGを調達せざるをえず、電力卸価格は1月中旬に急騰。2月請求分以降で高額な電気代を支払わされる新電力の利用者が出てくる。