知論考論

EV化の進行で 中国の脅威増大

 「脱炭素社会」に向け、日本や欧米、中国が相次いで将来の新車販売を電気自動車(EV)など電動車のみにする方針を打ち出した。ガソリン車を中心とした100年以上の自動車の歴史を塗り替える試みだ。一方で、蓄電池の供給不安、脱炭素の実効性への疑問、自動車産業の事業モデルへの打撃を懸念する声も上がる。「電動車100%」は何をもたらすのか。藤井秀昭・京都産業大教授と佐伯靖雄・関西大准教授に聞いた。

蓄電池めぐり世界競争 国は開発支援強化を 藤井秀昭氏

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が起きたことで、われわれはあらゆるリスクについて地球規模で考えるようになり、世界が自動車の電動化を含む脱炭素のための社会変革という同じ方角を向くようになった。世界史的にもあまり例のないことだ。

 気候変動の問題はこれまで国連を中心に議論してきたが、国際機関、各国政府、地方自治体、企業、市民がさまざまな方向を見ていた。しかし、コロナで意識が変わり、潮流が変わった。この潮目を逃すと、これまで有利に事業を進めていた日本の自動車メーカーなどは大変なことになる。一方で大きなチャンスにもなるだろう。