日本発ロシア点描

プーチン氏と領土交渉無駄 気鋭のウクライナ人学者の見方

インタビューに応じるグレンコ・アンドリー氏
インタビューに応じるグレンコ・アンドリー氏

 たび重なる反政権デモや欧米の制裁にもかかわらず、反体制派への厳しい抑圧姿勢を続けるロシアのプーチン政権。支持率低下も指摘されるが、その方針が変わる気配は感じられない。プーチン氏が強硬姿勢を続けられるのはなぜか。旧ソ連のウクライナ出身で日本在住の政治学者、グレンコ・アンドリー氏は「背景に『独裁政治=安定』とするロシア人特有の思考がある」と分析する。アンドリー氏に独裁国家の実情や日本の関わり方などを聞いた。(聞き手 黒川信雄)

「1が2に上がっただけだ」

 --反体制派指導者のナワリヌイ氏逮捕をきっかけに、ロシア各地で大規模なデモが行われた

 「政権を揺るがすほどの脅威では全くない。政権の力を100としたら、1だった反体制派の力が2に上がった程度だ。ロシアの野党勢力は全土で100万人ほど(ロシアの人口は約1億4千万人)に過ぎない。しかも、今回デモに参加したことで、積極的な反体制派といえる人々の素性を当局は割り出した。独裁政権も最新の通信・撮影技術を使う。当局は彼らを監視対象にすることが可能になってしまった」

 --反体制派の支持はなぜ広がりを欠く