論点直言 2050年カーボンニュートラル

脱炭素社会の実現は可能か 渡部雅浩/長谷川雅巳/山際大志郎

(左から)日本経済団体連合会 長谷川雅巳 環境エネルギー本部長、自民党・山際大志郎氏、渡部雅浩・東大大気海洋研究所教授(渡部氏の写真は本人提供)
(左から)日本経済団体連合会 長谷川雅巳 環境エネルギー本部長、自民党・山際大志郎氏、渡部雅浩・東大大気海洋研究所教授(渡部氏の写真は本人提供)

 菅義偉首相は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを年間約12億1000万トン(令和元年度)排出している日本。これを実質ゼロにする目標だが、果たして実現できるのか。実現のためには何が必要か。専門家らに聞いた。

「地球に暮らす全員の行動変容が必要」 東大大気海洋研究所教授 渡部雅浩氏

 観測事実として、19世紀半ばから現在までに地球全体の気温は約1度上がっている。最近の約50年は、人間活動による温室効果ガス、特に二酸化炭素(CO2)の排出増大が気温上昇の原因であることはほぼ疑いない。大気中のCO2が増えれば地球の表面が受け取るエネルギーが増え、気温が上がることで水蒸気など他の温室効果ガスも増え、さらに気温を上げるという自然の仕組みが働く。これが地球温暖化です。