粂博之の経済ノート

移住促進は人口の奪い合い 観光以上・定住未満がカギ

千葉県市原市の旅と「お手伝い」を兼ねた企画に参加し、寺で地域の文化を体験する人たち=令和3年3月(同市提供)
千葉県市原市の旅と「お手伝い」を兼ねた企画に参加し、寺で地域の文化を体験する人たち=令和3年3月(同市提供)

 人口減少に悩む自治体が繰り広げる移住者誘致合戦。地域活性化の主要施策だが国全体の人口が減る時代、移住者の奪い合いは勝者のいない「ゼロサムゲーム」になってしまう懸念がある。そんな中、「関係人口」に着目する自治体や企業が動き始めた。関係人口とは、移住はしないが都合のつくときに訪問し、地域社会の担い手となったり、応援したりする人たちの総計。地方の力を底上げする可能性がある。

時給1000円、癒やされる

 千葉県市原市の光福禅寺で3月、境内や墓地の掃除などを手伝いながら、座禅体験もできるイベントが開催された。参加者は近隣都県の20代が中心。5日間、寺に泊まり込み、午前9時から午後3時まで時給1000円で働く。

 「ふだんできない体験ができました」「必ずまた来ます」「癒やされました」と反応は上々だった。