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中国が突き付けるドルへの挑戦状 国際金融体制に不満 信頼欠如で力不足

米中の外交トップ会談の会場に向かう中国の楊共産党政治局員(右)=3月18日、米アラスカ州(AP)
米中の外交トップ会談の会場に向かう中国の楊共産党政治局員(右)=3月18日、米アラスカ州(AP)

 中国がドルを基軸通貨とする国際金融体制に挑戦状を突き付けている。国際金融における米国の絶大な影響力が中国にとっての不満の種になっているためで、中国人民銀行(中央銀行)はデジタル通貨を用いた国際送金の仕組み作りに乗り出した。一方、ドルを中心とする国際金融体制の根幹には米国への信頼があり、人権問題などで国際的な批判を受ける中国は現状を覆すには力不足の面がある。ただし中国経済の存在感が高まる中、米国が国際社会での振る舞いを誤れば、中国にスキを与える可能性も拭えない。

 「米国は自らの管轄権を拡大し、他国を抑圧するために、軍事力と金融における支配力を用いている」

 中国の外交担当トップの楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)共産党政治局員は米アラスカ州で3月18日に開かれたブリンケン米国務長官らとの会談で、軍事面だけでなく金融面での米国の力に強い不満を示した。

 楊氏は米国が安全保障の概念を乱用して通常の貿易を阻害し、他国を扇動して中国を攻撃させているとも言及。バイデン米政権発足後初の米中外交トップ同士の会談をあからさまな米国批判でスタートさせた。