ビジネス解読

サムスン、LGに衝撃 安全保障で変わる世界供給網

ウクライナの首都キエフにあるサムスンの店舗=2日(ロイター)
ウクライナの首都キエフにあるサムスンの店舗=2日(ロイター)

 韓国大手財閥グループのサムスン、LG、SKの傘下企業の株価が3月半ば強い下落圧力にさらされた。主要取引先の戦略転換で需要消失の懸念が浮上し、各グループで車載電池を手掛ける3社の株価が急落。企業価値を示す株式時価総額が一時、計6000億円超も吹き飛んだ。株価に浮き沈みは付きものだが、この株安局面を一過性と軽くみることはできない。背景には米中対立、脱炭素化に続く世界経済の第3の構造変化があり、日本企業も警戒する必要がありそうだ。

 韓国3社の株価を揺さぶった引き金は、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が3月15日に発表した電気自動車(EV)に関する大型投資計画だ。2030年までに欧州の6カ所にEV用電池工場を新設、主に外部メーカーに頼っていたEV用電池の調達を見直し、自社生産の拡大にかじを切るという。

 VWのEV用電池調達は中国大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と、LG化学、サムスンSDI、SKイノベーションの韓国3社が主要取引先とされており、この投資計画の発表を受けて3社の株価は大幅下落。韓国紙の中央日報(電子版)は3社の時価総額合計が前日より6兆9089億ウォン(約6642億円)失われた「フォルクスワーゲンショック」と伝えた。