経済インサイド

「新幹線」車両調達 日台に隙間風 交渉破談、経済安保に懸念 欧州勢の横やりも

台湾北部・桃園市内の高架を走る台湾高速鉄道の車両=2015年1月(田中靖人撮影)
台湾北部・桃園市内の高架を走る台湾高速鉄道の車両=2015年1月(田中靖人撮影)

 日本と台湾の経済協力の「象徴」とされてきた「台湾新幹線」をめぐり、日台間に隙間風が吹いている。2007年に開業した台湾高速鉄道を運営する台湾高速鉄路(台湾高鉄)は、車両の増強・更新時期を迎えているが、台湾高鉄は今年1月、日本側の提示価格を「高額」として、交渉打ち切りを発表した。16日の日米首脳会談では、中国が圧力を強める台湾問題も協議された。新幹線問題がこじれれば、経済安全保障の動きにも逆行しかねない。

 「日本の新幹線車両を導入することが台湾のためになる。台湾に貢献したい」

 日本政府の関係者は台湾新幹線をめぐり行き詰まった現状の打破へ焦りを募らせる。

 台湾の高速鉄道は現在、日本の新幹線技術を海外で初めて採用し、川崎重工などが製造した「700T」型の車両を1編成12両で34編成、運行している。

 台湾高鉄は、日立製作所と東芝の「日本連合」と、JR東海の新型車両「N700S」の購入交渉を行ってきたが、今年1月に破談となった。台湾側の主張では、台湾での提示価格が1編成約50億台湾元(約185億円)だったのに対し、日本での取引額は1編成約45億円で乖離が大きすぎると反発したためだ。