KMバイオ、来春コロナワクチン生産体制 有事の開発、枠組み必要

KMバイオロジクスが開発を進める新型コロナワクチンの治験薬(同社提供)
KMバイオロジクスが開発を進める新型コロナワクチンの治験薬(同社提供)

 新型コロナウイルスワクチンの開発に取り組むKMバイオロジクス(熊本市)が、来年春までに製造を開始できる体制を整えることが22日、分かった。永里敏秋社長が産経新聞のインタビューで明らかにした。治験(臨床試験)の第1、2段階にあたる第1/2相試験は順調で、現時点でアレルギー反応のアナフィラキシー症状などの副反応は確認されていないという。(安田奈緒美、岡本祐大)

 同社は昨年、国立感染症研究所や東京大などと共同で、感染力や毒性をなくしたウイルスでつくる不活化ワクチンの研究開発を始めた。開発と並行して生産設備を拡充しており、来年中にも6カ月間で3500万回分の供給能力が整うとしている。今年3月から210人を対象にした治験を開始しており、現時点で重篤な副反応は確認されていない。秋には第1/2相試験の結果が出る予定。

 日本は欧米に比べて新型コロナウイルスワクチンの開発でずいぶん後れをとった。KMバイオの永里社長は、国産ワクチンの実用化のために、規制当局に「有事の対応」を求めていく考えを示した。後発組となった国産ワクチンは大規模な治験の実施が難しくなる状況に追い込まれている。同社の供給体制は来年中には整うことから「できるだけ早く国民に届けるための仕組みが必要だ」と訴えた。