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「これで日本は周回遅れ」 IT基本法仕掛人が苦言を漏らす菅内閣のデジタル改革

政府のIT戦略会議に臨む森喜朗首相(中)と中川秀直官房長官(右)。左は同会議議長の出井伸之ソニー会長兼CEO=平成12年10月、首相官邸
政府のIT戦略会議に臨む森喜朗首相(中)と中川秀直官房長官(右)。左は同会議議長の出井伸之ソニー会長兼CEO=平成12年10月、首相官邸

 菅義偉(すが・よしひで)首相が看板政策の一つに掲げる社会のデジタル化を実現するための「デジタル改革関連法案」の国会審議が参院で山場を迎えている。法案は9月1日にデジタル庁を設置し、マイナンバーの利用拡大などによって国や自治体の情報システムを抜本的に改善することが柱だ。だが、デジタル化の推進を主要政策に掲げた日本の政権はこれが初めてではない。21年前の平成12年に「世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成」を政権の重要課題に掲げ、IT基本法を成立させた森喜朗内閣の当時の政権幹部は、ある政策の不備への不満を口にする。

 「デンマークなど世界のデジタル先進国は国民番号制度を整備して生活に関わるほぼ全ての手続きがネット上で完結する。菅政権が金融機関口座とマイナンバーのひも付け義務化を見送ったのは残念で、世界からさらに周回遅れになってしまうだろう」

 森政権で官房長官を務め、平成24年に衆院議員を引退した中川秀直氏はこう話す。