経済インサイド

電動化でエンジンは生き残れるか ホンダは決別宣言、トヨタは水素で延命探る

 脱炭素社会の実現に向けた日系自動車メーカーの電動化目標が出そろった。海外の主要メーカーが電気自動車(EV)シフトを明確に表明するなか、4月に社長が交代したホンダは日系メーカーで初めてエンジンとの決別を宣言。一方、トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)など幅広い電動車の選択肢をそろえるほか、水素を燃やして走り、二酸化炭素(CO2)を排出しないエンジン車の可能性も探る。自動車産業の中心を長らく担ってきたエンジンの存在意義が本格的に問われようとしている。

 ホンダの三部敏宏社長は4月23日、就任後初の記者会見で、世界で販売する四輪車を2040(令和22)年に全てEVとFCVにする目標を発表した。

 ホンダの電動車はトヨタと同じく、HVが中心だ。会見と同じ日に発売したスポーツ用多目的車(SUV)「ヴェゼル」の新型車も、HVを中心に販売する戦略を示していた。

 20年の世界販売台数に占めるEVとFCVの比率は1%未満で、車種もまだ1つずつしかない。それだけに、エンジンとの決別宣言は報道陣を驚かせた。