「Fukushima50(フクシマフィフティ)」観客絶賛、評論家酷評…原発が背負った「宿命」表出

渡辺謙さん(左)と佐藤浩市さんが出演する「Fukushima50」((C)2020「Fukushima50」製作委員会)
渡辺謙さん(左)と佐藤浩市さんが出演する「Fukushima50」((C)2020「Fukushima50」製作委員会)

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災による津波で、制御不能となった福島第1原子力発電所に残った50人余の作業員らの奮闘を描いた映画「Fukushima50(フクシマフィフティ)」が6日、公開された。興行通信社によると、土日2日間(7、8日)の全国映画動員ランキングで1位を獲得、あれから9年の歳月に思いをはせた著名人や一般客から好評を博している。ところがこの作品、歴史ある映画雑誌「キネマ旬報(じゅんぽう)」の映画評で、めったに見られない最低評価をつけられたのだ。この奇妙ともいえる乖離を、どう考えればよいのだろうか。

 ■被災地から感謝の声

 「あの時、最前線にいた『Fukushima 50』の決死の覚悟。現場を誇りに思う気持ちに、そして葛藤に、胸が熱くなりました。日本に生きる全ての人にみてほしい、魂がこもった作品です」(宇宙飛行士、山崎直子さん)

 「災害や事故は時に『人』の予想を超えるが、『人』が力を合わせれば危機を乗り越えられる。世界の注目が集まった緊迫の日々に、現場で踏ん張った『人』たちの勇気を、この傑作群像映画で永久に後世に伝えたい」(脳科学者、茂木健一郎さん)

 「Fuku-」を見た感想を掲載しているインターネットの特別サイトには、各界の著名人がこんなメッセージを寄せている。