実録 韓国のかたち

第2部(3)父の死後、側近は去り…韓国政治の「非情さ」誰よりも知りながらなぜ政界へ?

背筋がぞくっとしながら、発した言葉は「前線は大丈夫ですか」

 1979年10月27日の未明。朴槿恵(パク・クネ)は電話のベルの音に起こされた。受話器の向こうからは父、朴正煕(チョンヒ)の秘書官の震える声が聞こえた。「早く支度をしてください」

 朴は背筋がぞくっとした。母が亡くなったときの記憶が稲妻のようによみがえった。しばらくして大統領府秘書室長がやってきた。

 「閣下(朴正煕)が亡くなられました」

 まだ、完全に目がさめないまま、彼女が発した第一声は「前線(南北軍事境界線)は大丈夫ですか」だったという。

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