実録 韓国のかたち

第2部(4)亡き父の“亡霊”に悩まされ…「朴槿恵だけはだめだ」と主張する左派の抱き込みを優先 

凶弾で倒れた「朴正煕の娘」を売り物にしている-左派の攻撃

 2012年8月、朴槿恵(パク・クネ)は保守系セヌリ党(当時)の大統領候補に確定した。

 出馬宣言で朴は「私の人生は大韓民国と一緒でした」と語り始めた。「母は凶弾に撃たれて亡くなりました。耐えがたい苦痛と困難を私が克服できたのは、母が残した空白を埋めなければという責任感と使命感があったからです。そして国民の皆さんが一緒にいてくれたからです」

 党内予備選で84%の票を獲得。圧倒的な強さを見せたが、対立する左派陣営は「凶弾で両親を亡くした、朴正煕(チョンヒ)(元大統領)の娘を売り物にしているからだ」(ハンギョレ新聞)とこきおろした。

 この日朴は父についても口を開いた。「父を亡くし苦痛に耐えていた私は平凡な生活を望んだが、(父の世代が汗と涙でつくった)国家が危機にさらされるのを座視できなかった」

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