実録 韓国のかたち

第2部(9)今も不明、セウォル号事故時「空白の7時間」…朴槿恵の“政治的孤独”白日の下に

「秘書室長が大統領の所在すら把握していない」ことの異常さ

 旅客船セウォル号沈没事故は朴槿恵(パク・クネ)の指導力に決定的なダメージを与えた。朴の事故当日の動静が追及されるようになったのは事故から2カ月余がたった2014年の7月だった。

 国会に呼ばれた大統領秘書室長(当時)、金淇春(キム・ギチュン)は野党議員から「その日、大統領はどこで何をしていたのか」と問われ、「大統領がどこにいたかについて正確には知らない」と答えた。

 国家的大惨事が起きたというのに秘書室長たるものが大統領の所在すら把握していない-との答弁は世間を驚かした。側近すら遠ざける朴の政治スタイルが垣間見えた。

 テレビ画面を通じてこのやり取りをみた遺族や市民団体は朴に釈明を要求するが、大統領府は「大統領の動静は国家機密に属する」と突っぱね、後に非難の声が高まると小出しに情報を出すなど後手にまわった。

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