保守勢力に渡った場合の政治報復恐れ、素早く動く
左派政権もまた、腐敗とは無縁でなかった。金大中(キム・デジュン)は政権末期に連続して起きた側近と家族の不正事件に悩まされた。任期1年を切った2002年5月、三男弘傑(ホンゴル)が36億円にのぼる賄賂を受け取った疑いで、6月には次男、弘業(ホンオブ)が脱税などの疑いで逮捕された。国会議員だった長男、弘一(ホンイル)も人事をめぐって賄賂を受け取ったとして金の退任直後に在宅起訴された。次男の逮捕直後に金は声明を発表し次のように謝罪した。「生涯さまざまな苦難を経験しましたが、こんなに悲惨なことが起きるとは思っていませんでした。これはすべて私の間違いであり、至らなかったからです」
【連載】実録 韓国のかたち