湯浅博の世界読解

米中覇権争い回避「最後の機会」

パプアニューギニアのポートモレスビーで開かれたAPEC首脳会議に出席したペンス米副大統領(奥)と習近平・中国国家主席=17日(ロイター)
パプアニューギニアのポートモレスビーで開かれたAPEC首脳会議に出席したペンス米副大統領(奥)と習近平・中国国家主席=17日(ロイター)

 トランプ米政権が仕掛ける中国との貿易戦争は、本当に通商上の争いに由来するものなのか。それとも、地政学的な大国間のライバル意識に基づくものか。もし、貿易に限ったものならば、どこかで合意に到達することは可能だろう。

 その意味で、30日からブエノスアイレスで始まる20カ国・地域(G20)首脳会議は、中国にとって米中の激突を貿易問題の枠内にとどめられるか否かの「最後の機会」になるだろう。