台湾「次世代の指導者」が首相辞任 蔡総統、党内政局にも配慮必要に

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11日、台北の総統府で、辞任した頼清徳行政院長(左)の後任に蘇貞昌氏(右)を任命する人事を発表した蔡英文総統(田中靖人撮影)

11日、台北の総統府で、辞任した頼清徳行政院長(左)の後任に蘇貞昌氏(右)を任命する人事を発表した蔡英文総統(田中靖人撮影)

 【台北=田中靖人】台湾の頼清徳行政院長(首相に相当)は11日、辞任した。蔡英文総統は同日、後任に与党、民主進歩党重鎮の蘇貞昌(そていしょう)元行政院長(71)を充てる人事を発表した。頼氏は昨年11月24日の統一地方選で民進党が惨敗した責任を取るとして投開票日に辞意を表明。蔡氏は慰留を続けたが、頼氏の意志が固く、今年度予算が10日に成立したことを受け辞任を認めた。

 頼氏は民進党内で蔡氏の次世代の指導者と目されており、辞任は支持率が低迷する蔡政権から距離を置くためとみられている。頼氏が約1年後の2020年1月に迫った総統選に出馬するかどうかが注目される。