李登輝秘録

第2部 日本統治下に生まれて(6)後藤新平の生き方を追う

 台湾の元総統、李登輝は耳まで紅潮させながら、うれしさを隠せずにいた。

 2007年6月1日に東京の国際文化会館で行われた「後藤新平(ごとう・しんぺい)賞」授賞式のときだ。李はこの日、「私がこの光栄に浴し得たことを、一生の栄誉と深く感謝しております」と述べた。

 同賞は、日本統治時代の台湾総督府の民政長官を務めた後藤新平(1857~1929年)のように幅広い業績を挙げた人物を国内外から選んで顕彰するものだ。後藤は南満洲鉄道(満鉄)の初代総裁や日本の外相などを歴任している。李は同賞における最初の受賞者に選ばれた。

 李は授賞式で「後藤新平と私」と題して行った講演の中で、後藤の台湾での業績として公共衛生の改善や教育制度の整備など12項目を挙げた。なかでも、中国大陸から持ち込まれ、台湾でも蔓延(まんえん)していた麻薬のアヘンを専売制にし、中毒患者を減らした行政手腕を高く評価した。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください

【李登輝秘録】記事一覧