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徳先生が中国に現れる日 藤本欣也

 ちょうど30年前の1989年5月20日、北京の一部区域を対象に戒厳令が布告された。天安門広場では連日、大学生らの民主化要求運動が続いていた。

 そのころ、私は留学先の韓国ソウルにいた。学生街の話題はやはり「天安門広場」。酒が入ると、みんなで「連帯」を表明し合った。それだけに「戒厳令布告」のニュース速報に息をのんだ。戒厳令→軍政→血の弾圧という陰惨な韓国の現代史が想起されたのだ。

 中国の民主化運動はそれからわずか半月後の6月4日、人民解放軍による武力弾圧で幕を閉じた。世に言う天安門事件である。

 中国では今年2019年に節目を迎える歴史的事件が多い。天安門事件30年のほか、チベット動乱60年、五・四運動100年、ウルムチ暴動10年。中国共産党には政治的に敏感なことばかりだ。中でも五・四運動は“寝た子”を起こしかねない微妙な問題をはらむ。

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