矢板明夫の中国点描

北京に「鶴の恩返し」はない

歴代首相経験者との朝食会で海部俊樹元首相(右)らと握手したときの中国の江沢民国家主席(代表撮影、肩書は当時)=1998年11月26日
歴代首相経験者との朝食会で海部俊樹元首相(右)らと握手したときの中国の江沢民国家主席(代表撮影、肩書は当時)=1998年11月26日

 「海部俊樹さんに会う機会があれば、直接聞きたい。なぜあのとき、中国への経済制裁をやめたのか」

 5月下旬、東京都大田区の小さな居酒屋で、中国の民主化運動家の元学生リーダーである王丹氏はビールを一口大きくあおり、語気を強めた。

 1989年6月に起きた民主化運動が弾圧された天安門事件後、中国当局の指名手配名簿の1位だった王氏は、海外逃亡のチャンスを放棄して、刑務所に入ることを選んだ。

 「獄中で戦い続けることは、亡くなった仲間たちへの供養だ」という王氏。「戦車を出動させて学生を虐殺する政権を、国際社会が認めるわけがない。民主主義国家は、必ず自分たちの戦いを応援してくれる」とも考えていたという。

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