ウルムチ暴動10年 かつて殺戮の現場、響く中国人観光客の笑い

5日、中国新疆ウイグル自治区ウルムチで、3人一組で巡回する警官
5日、中国新疆ウイグル自治区ウルムチで、3人一組で巡回する警官

 中国新疆ウイグル自治区ウルムチで起きた少数民族ウイグル族の大規模暴動から5日で10年を迎えた。異民族間で殺戮(さつりく)が繰り広げられたかつての暴動現場は観光地化され、当時の面影を残すものはない。中国人観光客からわき起こる笑い声に、住民たちの不安や憤りの声はかき消されていた。(ウルムチ 藤本欣也)

 ウルムチ暴動で多数の死者を出した二道橋には、国際大バザール(市場)がある。ここ数年で飲食店が拡充され観光地として整備された。5日も中国人客でにぎわっていたが、3人一組で巡回する警官らの姿も目立った。

 モスク(イスラム教礼拝所)前では、ウイグルの軽快な民族音楽に合わせて踊りを披露するウイグル族たちに、中国人観光客らが拍手を送っていた。

 広東省から来たという20代の男性は「7・5事件(ウルムチ暴動)のことは知っている。でも、来てみたら治安はいいし、気持ちよく観光できる」と話す。

 しかし住民感情は複雑だ。ウルムチに住む漢族男性(34)は「あのころ人心はすさんでいた。恐ろしくてしばらく外出できなかった。あの恐怖感は今でも残っている」という。

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