1970年代から80年代にかけ、米国は台湾の民主化に関心を深めていく。その背後には、蒋経国(しょう・けいこく)がからんだ米国での2件の暗殺事件もあった。
最初の事件は70年4月24日、ニューヨーク中心部のプラザホテルで起きた。
国民党政権からの台湾独立を留学先の米国で訴えてきた台湾人の黄文雄(こう・ぶんゆう)(1937年生まれ)が、訪米した蒋をホテルの正面で、隠し持った拳銃で狙撃した。弾はそれて蒋にけがはなく、黄と台湾人の共犯者1人が逮捕された。暗殺未遂事件を聞いた李登輝は、「肝を冷やした」という。