習近平氏「北戴河」直前に前進狙う 内憂外患、党内くすぶる批判

中国の習近平国家主席(右)=AP
中国の習近平国家主席(右)=AP

 中国が米中貿易協議の再開時期を7月末に設定したのは、共産党の指導部や長老らが集まる8月の「北戴河会議」を控えて交渉の前進を国内に誇示したい意図が透ける。習近平指導部は米国の対中圧力や香港の混乱、経済減速などの内憂外患を抱えており、批判の芽をつむことに腐心しているようだ。

 習氏は2018年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正に踏み切り、3期目続投に道を開いた。だが国政の課題が山積する中で権力基盤は必ずしも盤石ではない。