藤本欣也の中国探訪

「女の国」をゆく(1) 母系社会は通い婚が主流

モソ人の伝統家屋で暮らすディンヤさんは一家の主だ=中国雲南省ジャシ村(藤本欣也撮影)
モソ人の伝統家屋で暮らすディンヤさんは一家の主だ=中国雲南省ジャシ村(藤本欣也撮影)

 チベットに近い雲南省と四川省にまたがる湖畔に、「女の国」があるという。少数民族による母系社会が続いていて、日本の平安時代のように男たちは通い婚をしているらしい。猛暑の北京を脱出し、「神様が残した唯一の女性の楽園」(中国メディア)とも評される女の国を訪ねた。

 雲南省の観光都市、麗江から約200キロ、車でつづら折りの山中を4時間近く走ると、標高2600メートルほどの山あいにルグ湖(50平方キロ)が見えてきた。恋人を慕う女神の涙でできたとする言い伝えがあり、中国少数民族の支系とされるモソ(摩梭)人が「母なる湖」とあがめている。

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