【ニューヨーク=黒瀬悦成】トランプ米大統領は24日、国連総会の一般討論演説で、「世界最強」の超大国である米国が、他国の征服や支配を画策する専制国家や、国益の概念を軽視するグローバリズムに対抗して、「自由や独立、自治」を奉じる民主主義諸国を牽引(けんいん)していくと宣言した。持論の「米国第一主義」は堅持しつつ、価値観を共有する国々との連携を図る「実効的な多国間主義」(国務省高官)を新たに打ち出したといえる。
トランプ氏は演説で、世界で米国などの対極に位置する「支配に飢え、他を配下に置こうとする勢力」に対し、「米国は、自らがよって立つ伝統や慣習を精力的に守っていく」と強調。その上で、各国に対し「自由を欲するなら祖国に誇りを持て。民主主義を欲するなら主権を手放すな。平和を欲するなら祖国を愛せ」と述べ、「未来はグローバリストでなく、愛国者のためにある」と訴えた。