アナキン・ウォンさん(19)は今月、あるカードにハサミを入れた。香港人に与えられる中国への入境許可証だ。「中国と決別する」。その意思を示すために切り刻んだという。
アナキンさんは、父が経営する運送会社に勤務するが、会社を休み、黒いマスクで顔を包んでデモに参加する。父は香港人、母は中国生まれだが、ともにデモ参加は黙認している。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案は、きっかけにすぎない。アナキンさんを突き動かすのは「香港が消滅してしまう」という怒りと不安だという。
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