三井美奈の国際情報ファイル

仏紙ルモンド 経営めぐり富豪株主と記者が対決

 フランスの高級紙ルモンドが大揺れだ。謎のチェコ人大富豪が突然、株を取得し、記者たちが「敵対的買収」だと反発。株の買い増しを阻止するため、紙面で大キャンペーンを展開した。経営難から身売りが相次ぐ仏新聞界で、同紙は「報道の自由」を掲げて孤軍奮闘している。

 この人物は、チェコのエネルギー大手EPH会長、ダニエル・クレチンスキー氏(44)。ドイツやフランス、英国で石炭火力発電所の経営権を相次いで取得し、チェコのメディア企業やサッカー・チームも保有する。本心を見せず、謎めいた風貌から「チェコのスフィンクス」と呼ばれる。