久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

金正恩氏の「金剛山施設撤去」指令で文政権が苦境 親北路線は崩壊か

中国の支援を受けて開発が進められているとみられる三池淵(サムジヨン)郡の工事現場を視察する金正恩氏(中央)。朝鮮中央通信が10月16日に配信した(ロイター)
中国の支援を受けて開発が進められているとみられる三池淵(サムジヨン)郡の工事現場を視察する金正恩氏(中央)。朝鮮中央通信が10月16日に配信した(ロイター)

 北朝鮮が10月、東部の景勝地、金剛山(クムガンサン)の観光事業として韓国が建設した施設の撤去を韓国側に要求し、親北政策を進めてきた文在寅(ムン・ジェイン)政権が焦りを募らせている。米国の顔色をうかがって、中断している事業再開にこぎ着けられない韓国への当てつけとみられるが、昨年来、北朝鮮と急接近している中国・習近平国家主席の後ろ盾も見え隠れする。

 金剛山の観光事業は南北経済協力の象徴とされ、1998年に韓国財閥「現代グループ」の鄭周永(チョン・ジュヨン)名誉会長(当時)が訪朝して以来、韓国官民の資金が湯水のように注がれた。その資金は北朝鮮の核開発につぎ込まれたと指摘される。

 しかし、2008年に韓国人観光客が北朝鮮軍に射殺される事件が起きて事業は全面中止に。文政権は事業再開に強い意欲を示し、この事業と開城(ケソン)工業団地の再開を米国や国際社会に訴えたものの、各国首脳にまったく相手にされず、進んでいなかった。

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