李登輝秘録

第6部 薄氷踏む新任総統(10)核兵器開発「直ちに中止せよ」

台北郊外にある中山科学研究院のミサイル研究現場を視察する李登輝(左から2人目)=1989年9月(李登輝基金会提供)
台北郊外にある中山科学研究院のミサイル研究現場を視察する李登輝(左から2人目)=1989年9月(李登輝基金会提供)

 台湾総統となった李登輝には、副総統時代に関与できなかった「総統の専管事項」がのしかかっていた。その一つが核兵器の開発問題だった。

 総統就任の翌日、参謀総長の●柏村(かく・はくそん)から核兵器の開発プロジェクト「新竹計画」の報告を受けた。李は計画の存在は知っていたが、副総統時代まで何ら決定権はなかった。

 台湾の核兵器の極秘開発はそもそも蒋介石(しょう・かいせき)の指示で1960年代後半に、国防部(国防省に相当)直属の中山科学研究院で始まった。対岸の中国が64年に初の核実験を行い、弾道ミサイルの研究も進めていたからだ。

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