李登輝秘録

第6部 薄氷踏む新任総統(11)張学良と交友 軟禁解除の道探る

張学良(写真パネルの左)が幽閉されていた台北郊外の日本統治時代の家屋(河崎真澄撮影)
張学良(写真パネルの左)が幽閉されていた台北郊外の日本統治時代の家屋(河崎真澄撮影)

 李登輝は台湾の総統の「専管事項」として、ある歴史上の人物を監督する立場にもなった。1936年12月に蒋介石(しょう・かいせき)を監禁し国共内戦の停止などを要求した「西安事件」を引き起こした張学良(ちょう・がくりょう)(1901~2001年)その人だ。

 張の印象を李は、「西安事件の真相を最後まで一言も語らなかった。口の堅い男だったな」と話した。

 張は事件後、国民党の軍法会議にかけられた。蒋介石は張を特赦したが、浙江省に幽閉する。国民党軍は再び勃発した共産党軍との国共内戦に敗れ、49年に退走する際、張を台湾に連行。軟禁は続き、息子の蒋経国(けいこく)に引き継がれる。李が総統に就任した88年、軟禁は50年を超えていた。

 李によると、張は中国大陸で6カ所、台湾で3カ所も転々と軟禁場所を変えられた。「張はもともと(略奪などを行う武装集団の)馬賊の出身だから、1カ所にとどめておくと逃走されやすい」と李は説明した。

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