劇場型半島

親北学生らの日米公館「奇襲デモ」にみる文政権の弱点

ソウルの米大使公邸にはしごを使って白昼侵入する学生ら=10月18日(ニューシス・AP)
ソウルの米大使公邸にはしごを使って白昼侵入する学生ら=10月18日(ニューシス・AP)

 韓国・ソウル中心部にある米大使公邸に親北朝鮮団体に所属する大学生ら17人が侵入し、反米デモを強行した事件が波紋を広げている。米韓関係がぎくしゃくする中、韓国メディアは、外国公館の保護を定めたウィーン条約に反する重大な事件だとして警察の失態を非難。釜山の日本総領事館で学生らが奇襲デモを仕掛けたときとは異なる反応を見せている。一方で、外国公館へのデモが横行する背景には、文在寅(ムン・ジェイン)政権ならではの“弱み”も指摘されている。(ソウル 桜井紀雄)

■「体に手を出せない」

 「ハリスはこの地を去れ」。トランプ米政権が在韓米軍の駐留費負担の大幅増額を韓国に要求していることに反発し、ハリス駐韓米大使公邸の建物前でこう書いた横断幕を広げて「米国は韓国から出ていけ」などと叫ぶ女子学生たち。ハリス氏らが文大統領と各国大使の懇親会で出払っていた10月18日の白昼に事件は起きた。