ロシア深層

プーチン氏は「新ヤルタ」を狙う 外信部編集委員 遠藤良介

シリア問題で、会見するトルコのエルドアン大統領(手前)を見つめるプーチン・ロシア大統領=10月22日(AP)
シリア問題で、会見するトルコのエルドアン大統領(手前)を見つめるプーチン・ロシア大統領=10月22日(AP)

 30年前の「ベルリンの壁」崩壊を、プーチン・ロシア大統領は東ドイツのドレスデンで迎えた。十代の頃から憧れていた旧ソ連国家保安委員会(KGB)の諜報員としてである。

 「壁」崩壊に勢いづいた市民はドレスデンでも、東独の秘密警察「シュタージ」(国家保安省)やKGBの施設に押し寄せた。群衆のKGB突入は阻止したものの、プーチン氏らは昼夜を問わず、保管されていた膨大な機密文書を焼却炉で燃やし続けた。