黒瀬悦成の米国解剖

米映画で活発な中国の「歴史戦」

 第二次大戦の太平洋戦線で日本が敗北への道をたどる転機となった、1942年6月のミッドウェー海戦を描いた米戦争映画の大作「ミッドウェー」(ローランド・エメリッヒ監督)が来年秋に日本でも公開されることが決まった。

 米国では今月8日の公開以来、順調な興行成績を収めており、ワシントンの日本人社会でもそれなりの話題を呼んでいる。

 ただ、先の戦争での日米両海軍の激突を双方の立場から客観的に描いているとする好意的な評価の一方、中国資本が制作費の多くを出している影響で、中国が日本の過去の「悪行」を言い立てる「抗日映画」的な描写が散見される、との指摘も多い。