久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

北の亡命希望者を「処刑の地」に強制送還した文在寅政権

亡命を希望した北朝鮮の船員2人を強制送還した文在寅政権の決定に抗議する脱北者団体のデモ=12日、ソウル(AP)
亡命を希望した北朝鮮の船員2人を強制送還した文在寅政権の決定に抗議する脱北者団体のデモ=12日、ソウル(AP)

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が今月7日、亡命を希望した20代の北朝鮮船員2人を北朝鮮に強制送還したことをめぐって、国内外で批判が相次いでいる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、送還された2人が本国で「拷問、処刑に遭う危険性」を憂慮。国連の北朝鮮人権特別報告者は近く、韓国政府に事情を聴く。事件は、国会出席中だった政府高官の携帯電話メールがメディアに撮影されるという偶然から発覚する異例の経緯をたどっており、それまで2人の存在すら公表していなかった文政権には、事件を隠蔽しようとしたのではないかとの疑いの目も向けられている。

■文政権は事件を隠蔽するつもりだった?

 韓国政府の発表や報道によれば、今月初め、1隻のイカ釣り漁船が海上の南北境界線に当たる北方限界線(NLL)を越え、韓国海軍に拿捕された。乗っていた船員2人は、亡命を希望した。

 拿捕から3日目に韓国側は北朝鮮側へ「2人の確保」を通報。翌日に北朝鮮から受け入れの回答が来たため、2人は7日午後、南北軍事境界線にある板門店で、北朝鮮側に引き渡された。

 拿捕事件が発覚したきっかけは、7日午前の国会予算決算委員会。韓国メディアのカメラが撮影した、青瓦台(大統領府)国家安保室次長の携帯電話に、板門店の共同警備区域(JSA)勤務の大隊長からの報告メールが映り込んでいた。

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