解読

シリア情勢、揺らぐ国際秩序 米後退…露が埋めた「力の空白」 前中東支局長・大内清

「安全地帯」新たな火種

 米国が10月、シリア北部からの部隊撤収を表明し、中東への関与をいっそう後退させた。トランプ政権は、過激組織「イスラム国」(IS)の指導者を急襲し死亡させたことを誇示するが、米国の退潮による「力の空白」が情勢を流動化させる流れに変わりはない。それが顕在化したのが、米国の撤収表明直後に発動された、トルコによるシリア北部への軍事作戦だった。

 ◆「手駒」を育成…

 コードネーム「平和の泉」。トルコが10月9日に発動した軍事作戦だ。シリア北部から少数民族クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)を追い出し、国境沿いに幅30キロ、長さ数百キロの「安全地帯」を設けることを目的とする。従事するのはトルコ軍だけではない。以前は「自由シリア軍」と名乗ったシリア人武装勢力も展開し、SDFに圧力をかけている。

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