遠藤良介のロシア深層

今日の香港、明後日のモスクワ

香港政府本部庁舎近くの公園で開かれた抗議集会に集まった人たち=11月30日(共同)
香港政府本部庁舎近くの公園で開かれた抗議集会に集まった人たち=11月30日(共同)

 東西冷戦終結から30年の節目だった今年、国際政治の基調をなしたのは、やはり米国と中露が対峙(たいじ)する「新冷戦」だった。かつての冷戦と性質を異にする部分は多い。だが、突き詰めれば「新冷戦」も、経済力や技術力、軍事力を含む国力で自由・民主主義と権威主義が張り合う「体制の競争」にほかならない。

 ロシアのプーチン大統領は6月、英紙のインタビューで「自由主義は時代遅れだ」と切り捨てた。中国の習近平国家主席も11月、北京での国際フォーラム参加者に対し、「中国人民は今、自信にあふれている」とし、「特色ある社会主義」を堅持すると述べた。