特派員発

米中貿易戦争が「世界の工場」を揺さぶっている 中国南部・広東省

広東省東莞の工場前には「工場建屋貸し出します」などと書かれた看板が目立つ場所に置かれていた(三塚聖平撮影)
広東省東莞の工場前には「工場建屋貸し出します」などと書かれた看板が目立つ場所に置かれていた(三塚聖平撮影)

 米国と中国が互いの製品に追加関税をかけ合う貿易戦争に突入してから1年半近くとなる。中国政府が発表する経済統計は悪化を続け、2019年7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は1992年以降で最も低い水準を更新している。実態はより深刻だという指摘も聞かれる中で、「世界の工場」の最前線となってきた中国南部・広東省で貿易戦争が与えた衝撃の実情を取材した。(中国南部・広東省 三塚聖平)

 ■閑古鳥の問屋街

 「以前なら午後3時から5時は商売人でごった返していたけれども、最近は人通りがめっきり減った。こんな状況だから商売も上がったりだよ」

 広東省の省都・広州の中心部に位置する自動車部品の販売業者が集まる問屋街「金永福汽配城」で、雑貨店を営む女性がつぶやいた。かき入れ時という午後3時過ぎにも関わらず行き交う人の姿はまばらだ。

 問屋街の入り口に置かれた案内板には約1万5000平方メートルの敷地に200超の販売業者が軒を連ねていると書かれているが、シャッターが閉ざされた店舗が目立つ。「高品質エンジンバルブ」「高級シートベルト」などと書かれた店先の看板はすっかりくすんでいる。