久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ

中国、文在寅政権の“コウモリ外交”揺さぶり

4日、ソウルで会談に臨む康京和外相(右)と中国の王毅国務委員兼外相(AP)
4日、ソウルで会談に臨む康京和外相(右)と中国の王毅国務委員兼外相(AP)

 中国の王毅国務委員兼外相が韓国を訪問し、4日の康京和(カン・ギョンファ)外相との会談では、トランプ米政権への批判を繰り広げるとともに、文在寅(ムン・ジェイン)政権の外交政策に注文をつけた。この数日前に中国は、韓国の防空識別圏に自国軍機を無断で進入させるなどして牽制。習近平政権は、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定を米国からの圧力で撤回した韓国を揺さぶっており、米中のはざまで“コウモリ外交”を続ける文政権は、その圧力に追い詰められている。

中国にひたすら低姿勢

 「一国主義が国際秩序を破壊している」「中国は大国が小国をいじめるのに反対する。他国の内政に干渉することにも反対だ」

 王毅氏は、康氏との会談冒頭からこうした主張を繰り広げた。

 いずれの発言もトランプ政権を念頭に置いたもので、韓国がGSOMIA破棄問題で米国に屈したことへの批判とも聞こえた。会談は予定時間を大幅に超えた。韓国紙によると、王毅氏は会談で、韓国の外交姿勢に対する警告や不快感も表明したようだ。