革新の国~知られざるイスラエル

(上)紛争、テロへの脅威 危機感が生んだ副産物

WSC Sportsのダニエル・シックマンCEO=2019年10月27日、イスラエル(鈴木俊輔撮影)
WSC Sportsのダニエル・シックマンCEO=2019年10月27日、イスラエル(鈴木俊輔撮影)

 パソコンのキーを叩いてから、わずか数十秒後。90分間のサッカーの試合映像から、まるで魔法のように得点シーンやゴール前に迫る場面が切り出され、約1分間のハイライト映像が広がった。

 米プロバスケットボールNBAや日本のJリーグなど世界100以上の団体で導入されている、スポーツのハイライト映像を自動で作成するプログラムだ。

 開発を手がけたのは、イスラエルの経済都市テルアビブに本社を置く「WSC Sports」。ジーンズにTシャツというラフな服装の若者たちが仕事に励むオフィスで、最高経営責任者(CEO)のダニエル・シックマン(37)は「手作業だったスポーツのハイライト映像の編集が、1分あれば自動で終わる」と胸をはった。