李登輝秘録

第8部 日本よ台湾よ(3)坂本龍馬が政治改革の先生だった

高知の坂本龍馬像を訪れた李登輝(手前右)と夫人の曽文恵(同左)=2009年9月6日
高知の坂本龍馬像を訪れた李登輝(手前右)と夫人の曽文恵(同左)=2009年9月6日

 「総統の在任中はもちろん、退任してからもしばらくは誰にも言わなかったけどね、台湾の民主化と政治改革には坂本龍馬の『船中八策』が大きく影響したんだ」

 李登輝が挙げた「船中八策」は、龍馬が建白した8カ条の国家構想で、幕末の日本が封建的な社会から立憲国家に発展した明治維新の基礎とされる。李は蒋介石(しょう・かいせき)らが中国大陸から戦後、持ち込んだ中国的な旧弊から、台湾を新たな民主社会に脱皮をさせようと、龍馬を模範にして奮闘した。

 李が口をつぐんでいたのは、台湾では政敵やメディアから「日本びいき」と批判されることが多く、龍馬や船中八策への言及で、不毛な政治論争に巻き込まれるのを避けるためだった。

 2009年9月6日、李は総統退任後、5回目の訪日で高知市にある龍馬の像を訪ねた。「龍馬は日本人であってどこか日本人ではない。日本を変える使命を帯びて天から降りてきたと感じた」と李は話した。

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