宮家邦彦のWorld Watch

驕る中国は久しからず

中国湖北省の武漢市で、新型肺炎の治療に向けて新たな病院建設が進む現場=24日(ロイター)
中国湖北省の武漢市で、新型肺炎の治療に向けて新たな病院建設が進む現場=24日(ロイター)

 スピニングホイールという筆者お気に入りの曲がある。直訳は「紡(つむ)ぎ車」、人生を「上に登れば必ず下に降りる」糸車に例えた含蓄の歌だ。1969年にBSTというブラスロックバンドが発表した。この名を覚えている人は相当のオタクだろう。しかし、今回取り上げるのは音楽ではなく、中国の新型肺炎騒動だ。

 新型コロナウイルスの肺炎の犠牲となった方々には心からのお見舞いとお悔やみを申し上げたいが、感染拡大の範囲と速度自体は驚かない。北京勤務時代のSARS騒動をよく覚えているからだ。中国はSARSの教訓を学んだのか。なぜ今回も事実の開示が遅れたのか。中国の対外関係はどうなるか。驕(おご)る平家は久しからず。まずは当時学んだ教訓をご披露する。